天国言葉とは、口に出すと自分もまわりも少し機嫌がよくなる、8つの短い言葉のことです。
愛してます。ついてる。うれしい。楽しい。感謝してます。しあわせ。ありがとう。ゆるします。
言葉には力が宿る。そんな「言霊」の考え方は、昔からこの国に伝わってきました。天国言葉は、その知恵をいちばんやさしい形にしたものです。修行ではありません。歯みがきと同じ、ただの生活習慣です。
はじめまして、山燦(さんさん)と申します。天国言葉を毎日の習慣にする仲間の集まり「ゆたかなダルマ会」で、言い出しっぺをしています。今日は、はじめての方に向けて、8つの言葉の意味と始め方をお話ししますね。
あなたの声を、この世でいちばんたくさん聞いている人は誰でしょう。
家族でも、職場の人でもありません。あなた自身です。口から出た言葉は、距離ゼロで自分の耳に届きます。
私はむかし、「疲れた」「最悪」「どうせ」が口ぐせでした。すると不思議なもので、疲れる証拠、最悪の証拠ばかり、上手に見つけてしまうんです。
そんな私に、ある商人のおじいさんが教えてくれたのが、この8つの言葉でした。自分に聞かせる言葉くらい、選んだほうがいい。天国言葉の出発点は、それだけです。
8つは、使う場面で二つに分けると覚えやすくなります。はじめの四つは、朝から夕方の「おもての時間」に使う言葉。あとの四つは、夜に一日を締める「こころの言葉」です。
ついてるは、いいことが起きてから言う言葉ではありません。先に言ってしまう言葉です。言うと、ついてる証拠を目が勝手に探し始めます。
うれしいと楽しいも、先に言うのがコツ。「さて、楽しい皿洗いの時間だ」と言うと、顔がつられて先に笑います。
ありがとうは回数の言葉。特別な場面を待たずに、いつもより一回だけ多く言います。
ここからは、夜とこころの四つです。
感謝してますは、当たり前を拾い上げる言葉です。今夜も布団がある。蛇口から水が出る。それだけで、もう二つ。
しあわせは、口に出した瞬間に確定する言葉。湯船で「あー、しあわせ」。その瞬間は、ちゃんと幸せです。
愛してますは、いちばん照れる言葉。最初は心の中で十分です。相手は観葉植物でも、鏡の中の自分でも構いません。
ゆるしますは、相手のためではなく自分のための言葉。背負った荷物を、いったん床に降ろす合図です。
天国言葉の反対側には、ついてない、不平不満、愚痴、悪口、心配ごと、ゆるせない、といった言葉があります。昔から地獄言葉と呼ばれてきたものです。
とはいえ、言ってしまう日はあります。人間ですから。
だから「言ってはいけない」と自分を縛らなくて大丈夫。ぽろっと出たら、あとから天国言葉をひと言だけ足します。「あー疲れた……けど、今日もよくやった。ありがとう」。言い直しは減点ではなく、加点です。
唱えるだけで宝くじが当たる、という話ではありません。そこは正直に言っておきます。
変わるのは、まず受け取り方。次に表情と行動。最後に、まわりの反応。魔法ではなく、順番です。だから、特別な才能がなくても、誰でも今日から試せます。
それから、心や体がしんどい時期は、無理に唱えなくて大丈夫。つらい時は、専門家や身近な人に頼ってくださいね。
8つ全部を覚えなくていいんです。まずは、ひと言だけ選びます。おすすめは「ついてる」か「ありがとう」。
そして、すでにある習慣にくっつけます。歯みがきのあと。信号待ち。玄関を出る瞬間。新しい時間は、一秒もいりません。
「心がこもっていなくてもいいの?」と、よく聞かれます。いいんです。私も最初は、見事な棒読みでした。気持ちは、あとからのこのこ付いてきます。
声は、つぶやき程度で十分。人前で言いにくければ、マスクの中や車の中という「個室」もあります。三日で忘れても大丈夫。思い出してまた言えば、それは挫折ではなく「四日目」です。
今日の一歩は、これだけです。次に玄関を出るとき、「ついてる」と一回だけ言ってみる。棒読みで結構。小声で結構です。
ひとりで唱えるのが心細くなったら、「まどあかり」という小さな窓をのぞいてみてください。誰かが天国言葉を唱えると、夜空の地球儀に灯りがぽっとともる、生まれたばかりの窓です。静かな夜もありますが、灯りを見つけた日は、ちょっとあったかい気持ちになりますよ。
まどあかりいま唱えている誰かの灯りが見える、公開の窓だんだん良くなる未来は明るい。感謝してまーす。